2010年3月8日月曜日

準備書面(h22.3.3)

平成21年(行ウ)第20号 公有水面埋立免許取消請求事件

原 告  長島の自然を守る会 外
被 告  山口県           

準 備 書 面             


平成22年3月3日
山口地方裁判所 民事部 御中

原告訴訟代理人
弁護士   籠橋隆明           
弁護士   赤津加奈美           
弁護士   泉 武臣           
弁護士   小島智史           
弁護士   丸山明子           


第1 本書面の目的

 本書面において,原告らは,別紙目録1の原告らの原告適格について主張する。
 原告らは,準備書面1において,別紙目録1の原告らが,祝島および田の浦周辺で魚介類を採取する生活上の利益や,祝島から田の浦の方角に向かって毎朝,朝日に向って手を合わせて祈りをささげる文化的・景観的利益,原子力発電所の脅威から生命身体を保護する利益を有することについて述べた。
 そこで,本書面においては,別紙目録1の原告らの有するこれらの利益が,行政訴訟法9条2項の法律上保護された利益に該当することを述べ,もって当該原告らに本件訴訟の原告適格が存することを主張する。
 以下詳述する。

第2 公水法を根拠法とする処分の原告適格に関する判例
1. 小田急最高裁判決
1) 平成16年に行政事件訴訟法が改正され,抗告訴訟における原告適格の判断基準が明示された。同法第9条は1項で「当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り,提起することができる」と定め,同条2項で「裁判所は,処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たっては,当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。」と定める。

2) 原告適格の判断基準については判例は法律上の利益説を基準とするも,当該条文だけでなく,それを基本としてそれ以外の関連法規にまで拡大する解釈を採用している。新潟空港運送事業免許取消事件(最高裁平成元年2月17日判決,民集43巻2号56頁)では処分の根拠条文のみならず,航空法の趣旨目的や航空機騒音障害防止法にまで言及して原告適格の枠組を拡大した。もんじゅ原子炉事件(最高裁平成4年9月22日判決,民集46巻6号571頁・1090頁)では,「当該行政法規の趣旨・目的,当該行政法規が当該処分を通して保護しようとしている利益の内容・性質等を併せ考慮して」公益に解消されない利益の有無を判断した。こうした原告適格に関する判断基準は判例の定着した流れであり,原告適格に関する判断はその後も徐々に拡大の傾向にあると言える。上記,平成16年の法改正はこうした原告適格拡大の判例の流れに沿った内容と言えるし,法改正の趣旨は原告適格の範囲を拡大し,司法による行政統制の枠組を拡大,行政の民主的統制の拡大を図るというものである。

3) ところで,平成17年12月7日の最高裁判決(小田急判決)は,この処分の相手方以外の「法律上の利益を有する者」につき法改正後,初の判断を下したのは周知のとおりである。ここでは,都市計画事業の事業地の周辺に居住する住民のうち事業が実施されることにより騒音,振動等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は同事業の認可の取消しを求める訴訟の原告適格を有するとした。この判決では都市計画法が「都市計画の基準に関して,当該都市について公害防止計画が定められているときは都市計画がこれに適合したものでなければならないとし(13条1項柱書き),都市施設は良好な都市環境を保持するように定めることとしている(同項5号)」とした上で,「公害防止計画の根拠となる法令である公害対策基本法は,国民の健康を保護するとともに,生活環境を保全することを目的とし(1条)」ているとして,公害対策基本法の条文を具体的に検討した。
  事業認定と原告適格との関係については,すでに平成11年11月25日最高裁判決があり,原告適格の範囲をきわめて限定して解釈してところであるが,前記小田急事件はこれを変更し,健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある周辺住民につき原告適格を認めたものである。

4) 小田急事件は行政事件訴訟法改正後出された判決として最高裁として原告適格に関する判断の枠組を示したものとして意義は大きい。この点,平成11年判決と比較して,「反射的利益」と「直接的な利害」との判断の差が示されているというべきである。目的を同じくする関連法規もあわせて原告適格を判断することはすでに定着した判例であり,平成16年改正でも条文化されたものと言える。それでも,「反射的利益」と「直接的な利害」との判断の差をどこに見いだしていくかは重要な問題として残されている。
  この点,小田急事件は都市計画を定めるに当たって遵守するべき公害防止計画の根拠となる法令である公害対策基本法(改正後環境基本法)の趣旨を分析した上で,東京都環境影響評価条例を検討している。最高裁は「本件条例は,被上告参加人が,良好な環境を保全し,都民の健康で快適な生活を確保するため,本件条例に定める手続が適正かつ円滑に行われるよう努めなければならない基本的責務を負うものとした上で(3条),」,都条例の「これらの規定は,都市計画の決定又は変更に際し,環境影響評価等の手続を通じて公害の防止等に適正な配慮が図られるようにすることも,その趣旨及び目的とするものということができる。」とした。
  最高裁の手法は保護する法益を,安易に一般公衆の利益としなかった。判例は都市計画法,旧公害対策基本法など明文の根拠を手がかりに「当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきものである(同条2項参照)。」とし,一定の地理的範囲の居住者の利益をほかと区別して位置づける努力をすべきだとしたのである。判例が東京都環境影響評価条例を引き合いに出して,影響を受ける範囲を考慮しているのも,こうした「直接的な利害」を考慮する上で,法がいかに運用され,いかなる者の利益を図ろうとしているかを具体的に検討するべきであるとしているからである。
  小田急事件は平成11年判決を変更したものであるが,それは安易に「反射的利益」としていたそれまでの原告適格の判断のあり方そのものも変更したと見るべきである。

2. 伊達火力発電所事件判例は変更されるべきである。
1) 本件は,公有水面埋立法を根拠法とする処分において,処分の相手方以外の者の原告適格を争うものであり,これに関する最高裁の判断としては,昭和60年12月17日の最高裁判決(伊達火力発電所事件)がある。
  伊達火力発電所事件では最高裁は原告適格の範囲を「行政権の行使に制約を課していることにより保障されている権利利益も」保護に値するとし,その利益は「直接明文の規程はなくとも,法律の合理的解釈により当然に導かれる制約も含む」とした。しかし,ここでは当該公有水面に関し権利利益を有する者については,埋立免許および竣工認可により当該権利利益を直接奪われる関係にあるとして原告適格を認めたが,その周辺で漁業権を有する者に対しては,それを保護することを目的として埋立免許等の行使に制約を課している明文の根拠はなく,解釈によってそのような制約を導き出すのは困難として,周辺で漁業をおこなう者に対して原告適格を認めなかった。

2) しかしこの判決は,行訴法改正,それを受けた小田急最高裁判決前の判決であり変更されるべきである。小田急事件は新潟空港訴訟以来の判例及び改正行政事件訴訟法を受けて,目的を同じくする関連法規を含めて法律上の利益を考慮するものとした。しかしながら,伊達火力発電所事件では最高裁は処分の根拠となる「行政法規」のみを検討対象にして,目的を同じくする関連法規の解釈を行わなかった。小田急事件の判例からすれば,関連法規も含めて明文の解釈,法律群の実際の運用を具体的に検討して,原告適格を有する者の範囲を画する努力が必要なのであるが,伊達火力発電所事件ではそのような努力はないまま,安易に「反射的利益」という言葉を用いて原告適格の範囲を極めて限定的に解釈したものと言える。

3) 公有水面埋立法は昭和48年に改正され,免許基準として「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト(4条1項2号)」が加わった。伊達火力発電所事件はこの改正前の処分についての事例であり,この点でも先例的価値は低い。

4) 伊達火力発電所事件判決以後も下級審判決では,上記環境保全条項を抽象的利益を定めるに過ぎないとした事例もあるが,先に述べたように,小田急判決が,旧来は反射的利益を有するにすぎないと判断していた周辺住民に対し,関連法規等を参照した上,法律上保護された利益を認め,原告適格を拡大した事実にかんがみれば,この判決も同様に変更され,周辺の漁業権者及び埋立等によって景観的利益や生命・身体の利益等を害される恐れのある住民に対しても原告適格が認められるべきであることは論をまたない。

3. 下級審判例の動向
1) 周辺住民の景観的利益
  小田急最高裁判決を受けて,実際,平成21年10月1日広島地裁判決(鞆の浦判決)は,関係法令として瀬戸内法や景観法などを参照し,当該埋立によって侵害される鞆の浦の景観の価値および回復困難性から,鞆の浦の景観的利益を有すると認められる者は,法律上の利益を有すると判断した。

2) 周辺住民の生命,身体の安全
  また,平成19年10月31日広島高裁松江支部判決は,関連法規として環境影響評価法,環境基本法,島根県環境影響評価条例などを参照し,処分が法に違反してされた結果,事業地の周辺地域に居住する住民の生命,身体の安全が脅かされ,又,健康や生活環境に著しい被害が発生する場合には,その内容,性質,程度等に照らし,当該住民の具体的利益を一般的公益の中に吸収解消させることは困難であるといわざるを得ないから,個々人の個別的利益としてもこれを保護する趣旨を含んでいると解すべきである,と判示している。
  また,平成20年9月8日福岡高裁判決も同様,関係法令として環境基本法, 大気汚染防止法,水質汚濁防止法,騒音規制法等を参照したうえで,周辺地域で生活し日常的に埋立区域や,水質や底質の悪化する周辺水面に接する者であって,埋立工事による汚濁流出等に伴う水質や底質の悪化等により,健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者に対して,そのような被害を受けないという利益を個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である,と述べている。

4. 結論
  以上,行政事件訴訟法改正及び小田急最高裁判決からすれば,伊達火力発電所事件判決は変更されるでき判例であること,伊達火力発電所事件自体,公有水面埋立法改正前の処分に関するものであること,小田急最高裁判決以降の下級審判決の動向からすれば,公有水面埋立免許に関する原告適格を判断するに当たっても,目的を同じくする法規を考慮し,一定地域住民に原告適格が認められるべきであり,以下に述べるとおり原告らは原告適格を有すると言うべきなのである。

第3 公有水面埋立法
1. 海岸の公共性
1) 海岸は,陸と海とが接する空間であり,多様な生物相が展開する生態系が形成されるとともに,古来人々の様々な活動に利用されてきた重要な空間でもある。我が国では海岸部には私的所有権は及ばず,砂浜を含んだ海岸は自然公物とされ,国及び自治体によって管理されている。こうした人々の「共有物」は自然法上人類の共有物とされると考えられ,何人も海岸に接近することは禁止されなかった。人々は海岸を通行し,漁撈を営み,天然資源を得てきたのである。さらに,人々は海岸を楽しみ,海岸で文化を形成してきた。かように,海岸は過去の世代から受け継がれ,現在の世代がそれを楽しみ,未来世代に引き継ぐべき人類の共有財産である。

2) 海岸については我が国では海岸法等によって管理されているが,同法は平成11年に改正され,海岸環境の保全を重視する内容となっている。同法を受けて平成12年5月に海岸保全基本方針が策定され,同方針では,「国民共有の財産として美しく,安全で,いきいきとした海岸を次世代へ継承していくことを,今後の海岸の保全のための基本的な理念とする」として,海岸の保全に関する基本的な事項が定められた。海岸法によっても,人類の共有物として未来世代に引き継がれるべきものとされたのである。

2. 海岸の公共性と考慮するべき要素
1) 海岸に対する具体的利益
  このように海岸が公共性を持つのは人々がそこより利益を受けてきたからである。海岸の機能の実際からすれば,海岸に対しては特定の人々が利益を享受してきたのである。原告らは本件埋立対象区域の海岸及び海にて漁撈をし,自然を楽しみ,自然観察などを営み,自然保全活動を行ってきた。海岸の公共的価値はこうした,具体的利益の検討無くして考えられないのである。

2) 当該海岸と周辺海域,周辺海岸との関連性
  また,海岸はそれだけ独立して存在することはない。海岸という広範な面積を持つ区域が海岸として保全されることにより,当該海岸,当該海の周辺海域,周辺海岸の環境も保全されていく関係にある。それは,砂の移動や,海流など考えれば容易に想像がつくことである。広範な海岸の喪失が周辺海域,周辺海岸に対して深刻な影響を与えることは公知の事柄である。加えて,海岸という広大な土地利用のあり方によっては周辺地域に対する深刻な被害を与えてきたことは水俣病などの我が国の公害の歴史を見れば明らかである。当該海岸の公共性は単に,当該海岸の機能を見るばかりでなく,周辺海域,周辺海岸との関連性において判断されなければならないことである。海岸法,瀬戸内法などが基本計画を立てた上で保全を図っているのも,海岸の持つ公共的機能をこうした周辺海域,周辺海岸との関連性において考慮しなければらないと考えているからである。

3. 埋立免許の要件
1) 埋立免許の趣旨
  このように海岸は「国民共有の財産」ではある上,海岸の持っている多様な価値から,海岸に対しては様々な人々の具体的な利益と結びついている。また,海岸の利用形態によっては人々の生活に深刻な打撃を与えることもある。公有水面埋立法は海岸の公用を廃止して個人の所有権に帰する制度であるが,海岸の持っている本来の公共的機能を排することの妥当性,海岸に関連して具体的な利益を持っている人々に対する配慮,海岸の利用形態によってもたらされる環境の変化に対する配慮などを考慮して免許の要件が次のように定められているのである(法4条1項)。
  「一  国土利用上適正且合理的ナルコト
    二  其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト
    三  埋立地ノ用途ガ土地利用又ハ環境保全ニ関スル国又ハ地方公共団体(港務局ヲ含ム)ノ 法律ニ基ク計画ニ違背セザルコト
   四  埋立地ノ用途ニ照シ公共施設ノ配置及規模ガ適正ナルコト  」

2)「国土利用上適正且合理的ナルコト」
  海岸には本来所有権は認められないのであるが,例外的に公有水面埋立法に基づく免許が得られた場合については特定の者が海岸,海に所有権を原始的に得ることができる。本来,海岸の公共的性格からすれば,特定の者の所有権を得させることは許されないのであるが,埋立目的の公共性,必要性などが厳格に審査された上で,免許されなければならない。
  特に,海岸が古来より人々の生活に不可欠な存在として関わってきたことを考慮すれば,この要件を判断する際にも人々の生活上の利益を害さないものであることが求められる。海岸の大規模開発を目的として公用を廃止するというのであれば,当該開発が人々に与える具体的な影響が考慮されなければならない。実際,「適正且合理的」という時,当該埋立後の土地利用の形態無くして判断できない。当該埋立による開発によって周辺住民に社会,経済,環境上の悪影響が予想される場合に,その点を全く考慮しないまま「適正且合理的」であることの判断はできない。実際,埋立免許願書には埋立の必要性,埋立後の土地利用のあり方も記載しなければならず,土地利用のあり方そのものも埋立免許の審査の対象となっている(公水法2条2項及び3項)。
  本件では原告適格の範囲が問題となるのであるが,「国土利用上適正且合理的ナルコト」の判断が土地利用のあり方も審査の対象となっている以上,当該免許に対して直接利害関係を持つ者の範囲には,埋立後の土地利用によって悪影響を受ける範囲の者がいかなる範囲かも考慮して判断されなければならないのである。

3) 「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」
  我が国では,公害など環境汚染の深刻化に伴い,40年代初めから大規模工業開発予定地域を対象として,産業公害総合事前調査が実施されていた。47年6月には「各種公共事業に係る環境保全対策について」の閣議了解が決定され,この閣議了解において,政府は道路,港湾,公有水面埋立て等の各種公共事業について「あらかじめ必要に応じ,その環境に及ぼす影響の内容及び程度,環境破壊の防止策,代替案の比較検討等を含む調査研究を行い,その結果に基づいて所要の措置をとるよう事業実施者を指導すること」とした。また,地方公共団体においても,これに準じて所要の措置が講ぜられるよう要請することとされた。
  こうした経緯を受けて,翌48年には「港湾法」,「公有水面埋立法」,「工場立地法」の一部改正,「瀬戸内海環境保全臨時措置法」(53年「瀬戸内海環境保全特別措置法」と改称)が制定された。これにより港湾計画の策定に際し,環境に与える影響について事前に評価することとされ,公有水面の埋立てについて環境保全に対する配慮が免許基準として明文化される等環境保全上の配慮が強化された。
  こうして,公水法4条1項2号には「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」と定められた。法47条2項は一定面積以上の埋立の場合には環境大臣に環境保全上の意見を求めることになっている。こうした,公有水面埋立法に環境保全要件が定められた経緯などを考慮すれば,この場合の環境保全の意味は,当該埋立工事,埋立材による水質などの悪化,埋立そのものによって生じる水質の汚濁,水域面積減少に伴う水質の悪化などの外,本件土地供用開始に伴う大気汚染,騒音,景観破壊など総合的に考慮されなければならない。
  そうであるならば,本件環境条項に際して考慮された住民の範囲については原告適格を有すると考えられるべきであるし,本件埋立地の供用によって生じうる環境的被害(放射能汚染も含む)について利害関係を有する者についても原告適格が認められるべきなのである。

4) ところで,公有水面埋立法によれば,都道府県知事は,埋立の免許の出願があったときは,遅滞なくその事件の要領を告示するとともに,公水法2条2項各号に掲げる事項を記載した書面及び関係図書をその告示の日から起算して3週間公衆の縦覧に供しかつ,地元市町村長から意見を徴し(法3条1項),関係都道府県知事に対しても通知をしなければならず(同条2項),通知を受けた都道府県知事は,遅滞なく関係住民に周知させるように努めなければならない(同法施行令4条)。そして,その埋立に関し利害関係を有する者には,都道府県知事に対して意見書を提出することを認め(同条3項),都道府県知事は,埋立免許の際,公益上又は利害関係人の保護に関し必要と認める条件を付すことができ(同法施行令6条),このように,当該埋立に利害関係を有する者に対して一定の手続的措置を講じている。
  今回,上関の埋め立てに際して,山口県は利害関係人の範囲を定めずに広く意見を徴し,公水法3条1項の「2条2項各号に掲げる事項を記載した書面及び関係図書」を,上関役場と山口県庁港湾課において縦覧させた。
  特に上関町の人々に対し,町内の役場において公水法3条1項の書面及び関係図書を縦覧する機会を設け,手続き的関与を保障した点に鑑みれば,上関町民は,以下の関連法規で論じる通り,法律上保護された利益が認められ,本件埋立につき原告適格を有するというべきである。

4. 結論
1) 以上,公水法上の各要件を考慮するならば,埋立工事影響,埋立によって生じる海岸の喪失によって影響を受ける者,埋立後の供用開始によって生じる影響を受ける者については公水法は保護を図っているのであり,原告適格を有するものと言わなければならない。少なくとも,山口県が関係図書を上関住民を対象に公告縦覧に供し,上関住民の意見を聴取していることを考慮すれば,上関住民には原告適格が認められてしかるべきである。また,海岸の前記公共性からすれば本件埋立対象地域で具体的に行動し,自然環境の利益を享受してきた者は原告適格を有してしかるべきである。

2) 本件では1号要件,2号要件を考慮すれば,環境基本法,環境影響評価法,電気事業法,瀬戸内海環境保全特別措置法が当然目的を同じくする関連法規として考慮されるべきである。また,公有水面埋立法は当該埋立地供用後の環境に対する影響も考慮の対象としており,本件が原子力発電所を供用の目的としていることを考慮すれば原子炉等規制法も関連法規として含めなければならない。

第4 環境基本法,環境影響評価法など
1. 本件ではいわゆる閣議アセスが実施されていたが,平成9年環境影響評価法施行に伴い,引き続いて同法に基づく環境影響評価手続きが行われた事例である。
  環境影響評価法は電気事業法に基づく電気工作物を第1種事業の対象としている(法2条)。そして,同法によれば,原子力発電所は全て第1種事業となっているため,本件では環境影響評価手続きが行われたのである。
  具体的な環境影響評価手続きは所轄大臣が定めることになっている。電気工作物については電気事業法が,第二款の二において環境影響評価手続きを定めており,環境影響評価手続きの一般的ルールは環境影響評価法の定めに従い,それに加えて電気事業法に基づく手続きが存在する(電気事業法46条の2)。
  環境影響評価手続きについては評価書の関係住民に対して,公告縦覧手続きを定めている(電気事業法46条の9)。

2. このように本件では環境影響評価法及び電気事業法に基づき,環境影響評価手続きが行われたのであるが,本件環境影響評価手続きにおいては大気,騒音,振動,水質,海象,動植物,景観と多岐にわたって調査された。この手続き自体が不備であること,本件原子力発電所が環境に対して著しい悪影響を与えるものであることは訴状においても指摘した。
  本件では環境影響評価手続きの不備を指摘しているが,環境影響評価手続きの不備は電気事業法上の違反となり,違法事由となる。この場合,電気事業法上の許されない工作物となるため,公有水面埋立法との関係で言えば,当該電気工作物の建設が,埋立免許の要件である「国土利用上適正且合理的ナルコト」(4条1項1号)に違反することになる。また,環境影響評価手続きに違反することは「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」(4条1項2号)とは言い難い結果となるため,この要件も満たさないということになる。

3. 公有水面埋立法4条1項2号は「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」を要件とする。そのため,埋立願書を提出する者は,「環境保全に関し講じる措置を記載した図書 」を添付して提出しなければならない(公水法2条3項5号,同法施行規則3条8号)。この図書と環境影響評価書とは別のものであるが,内容は重なっている。
  訴状でも指摘したとおり,中国電力の環境影響調査は不十分であり,当然,「環境保全に関し講じる措置を記載した図書 」も不十分である。その結果,本件では「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」の要件を満たさない。

4. 以上のように,公水法4条1項1号,2号を考慮すれば,電気事業法,環境影響評価法は目的を同じくする関連法規として考慮されなければならない。環境影響評価手続き及び公水法4条1項2号に基づく環境調査については,その運用は大気,騒音,振動,水質(赤潮も含む),温排水,海象,動植物,景観と多岐にわたる。これらの影響は祝島島民の生活に影響を及ぼしうるものである。そして,上関町住民に対して公告縦覧に供し,意見を求めていることを考慮すれば,公水法,環境影響評価法は祝島住民など上関町住民を利害関係ある者として扱っていると考えられる。加えて,景観的利益,自然環境より得られる利益を享受する住民である原告らにも原告適格が認められてしかるべきである。

第5 瀬戸内海環境保全特別措置法(以下,「瀬戸内法」という。)
1. 公有水面埋立法との関連性
  瀬戸内法は,瀬戸内海の環境の保全上有効な施策の実施を推進するための瀬戸内海の環境の保全に関する計画の策定等に関し必要な事項を定めるとともに,特定施設の設置の規制,富栄養化による被害の発生の防止,自然海浜の保全等に関し特別の措置を講ずることにより,瀬戸内海の環境の保全を図ることを目的とする法律である(1条)。
  そして,瀬戸内法は,13条1項より,山口県を含む関係府県知事(2条2・3項参照)の,瀬戸内海における公有水面埋立法第2条1項の免許については,第3条第1項の瀬戸内海の特殊性に十分配慮しなければならないと規定しているから,瀬戸内法が公有水面埋立法の関連法であることは明らかである。

2. 瀬戸内法と公有水面埋立法の保護法益
1) 瀬戸内法第3条1項に基づき,瀬戸内海環境保全基本計画(以下,「基本計画」という)が策定され,また,第4条1項に基づき,瀬戸内海の環境の保全に関する山口県計画(以下,「県計画」という)が策定されている。

2) このうち,基本計画では,第1の1で,「瀬戸内海が,我が国のみならず世界においても比類のない美しさを誇る景勝の地として,また,国民にとって貴重な漁業資源の宝庫として,その恵沢を国民が等しく享受し,後代の国民に継承すべきものであるという認識に立って,それにふさわしい環境を確保し維持すること及びこれまでの開発に伴う失われた良好な環境を回復することを目途として,環境保全に係る施策を総合的かつ計画的に推進するためこの計画を策定するもの」とし,瀬戸内海の景観及び漁業資源にふさわしい環境の確保・維持・回復を目的として計画を策定するとしている。そして,第2で計画の目標として,漁業資源や人の健康の維持のための水質保全等に関する目標と,自然景観の保全に関する目標という,瀬戸内海の生活環境に関わる目標を挙げている。
  そして,第3の5で,「公有水面埋立法に基づく埋立の免許…に当たっては,瀬戸内海環境保全特別措置法第13条第1項の埋立てについての規定の運用に関する同条第2項の基本方針に沿って,引き続き環境保全に十分配慮するものとする,また,環境影響評価法及び府県の環境影響評価に当たっては,環境への影響の回避・低減を検討するとともに,必要に応じ適切な代償措置を検討するものとする。その際,地域住民の意見が適切に反映されるよう努めるものとする。」としており,環境保全への十分な配慮と,特に瀬戸内海での埋立に関する環境影響評価に当たって地域住民の参加を必要としている。さらに,第3の14で,瀬戸内海の環境保全対策の実効を期するため,瀬戸内海地域の住民や民間団体及び瀬戸内海を利用する人々の正しい理解と協力が不可欠であり,瀬戸内海の環境保全に関する思想の普及及び意識の高揚を図るものとするとし,また,汚染負荷量の削減,廃棄物の排出抑制,環境保全への理解,行政の施策策定への参加等の観点から,住民参加の推進に努めるものとしている。したがって,これらの規定からすると,同計画は,住民の手続的参加権及び住民の瀬戸内海における生活環境を保護する趣旨・目的を含んでいる。

3) また,県計画でも,第1で瀬戸内海の景観及び漁業資源にふさわしい環境の確保・維持・回復を目的として,山口県の区域における計画を策定するとしている。そして,第2で計画の目標として,漁業資源や人の健康の維持のための水質保全等に関する目標と,自然景観の保全に関する目標という,瀬戸内海の生活環境に関わる目標を挙げている。
  そして,第3の5で,「山口県の区域における公有水面埋立法第2条第1項の埋立の免許…に当たっては,瀬戸内海環境保全特別措置法第13条第2項の規定に基づき,瀬戸内海環境保全委員会が答申した同条第1項の埋立てについての規定の運用に関する基本方針に沿って,引き続き環境保全に十分配慮するものとする,また,環境影響評価法及び山口県環境影響評価条例に基づく環境影響評価に当たっては,環境への影響の回避・低減を検討するとともに,必要に応じ適切な代償措置を検討するものとする。その際,地域住民の意見が適切に反映されるよう努めるものとする。」とし,環境保全への十分な配慮と,特に山口県内における瀬戸内海での埋立に関する環境影響評価に当たって,地域住民の参加を必要としている。さらに,第3の14で,瀬戸内海の環境保全対策の実効を期するため,瀬戸内海地域の住民や民間団体及び瀬戸内海を利用する人々の正しい理解と協力が不可欠であり,瀬戸内海の環境保全に関する思想の普及及び意識の高揚を図るものとするとし,また,汚染負荷量の削減,廃棄物の排出抑制,環境保全への理解,行政の施策策定への参加等の観点から,環境保全施策の推進に当たっては,パブリックコメント等を実施し,住民意見の反映に努めるものとしている。以上のように,県計画は,基本計画よりもさらに具体的な形で,地域住民の手続的参加権及び住民の瀬戸内海における生活環境を保護する趣旨・目的を含んでいる。

3. 以上より,公有水面埋立法の埋立免許に関する規定は,同法並びに関連法である瀬戸内法及び基本計画・県計画の趣旨・目的を含めて考えた時,地域住民の生活環境を保護する趣旨を含むと考えるべきである。また,関連法である瀬戸内法や基本計画・県計画が,生活環境の保護のための原告ら地域住民の手続的参加権をも保護していることからすれば,公有水面埋立法の埋立免許に関する規定は,違法な埋立事業に基づく健康被害,景観や生態系の破壊といった,生活環境に係る著しい被害を受けないという地域住民の具体的利益を保護しようとするものと解される。
  尚,原告らは本件埋立地が存在することによって構成される景観について利益を有するものであるが,景観的利益については最高裁は一定の範囲で景観的利益が法的利益になり得ることを示した。本件では瀬戸内法などによって景観的利益が保護されていることを考慮すれば,その利益享受主体である原告らが原告適格を有すると考えられるのである。

第6 原子炉等規制法
1. 公有水面埋立法の趣旨は,埋立地の利用法にも及ぶこと
1) 公有水面埋立法は,昭和48年に改正され,旧法にあった追認制度(無免許で埋立を開始した者に対し,免許を受けていたと見なす)が廃止され,原状回復命令を出せるようになった。これはそれまでの高度成長期に埋立地の急拡大により沿岸海域の生態系維持能力や浄化作用の消失による公害・環境汚染,漁業被害が急増したため,埋立免許に際して環境保全に十分に配慮されているか,埋立を行わないとその土地の需要が満たされないかなど厳正に審査し,環境との共生を図った上で必要最小限の埋立を認めていくことにするためであった。

2) その改正の趣旨に鑑みれば,公有水面埋立法に言う「国土利用上適正且合理的ナルコト」「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」という要件の判断には,埋立地の利用法も含まれるものと考えるべきである。
  なぜなら,埋立地を含むその土地全体でどのような事業をする予定なのかを判断要素としなければ,その埋立が土地の需要を満たし,かつ,その埋立が必要最小限か否かが判断できず,引いては国土の適正且つ合理的利用か否か,環境への配慮・災害防止が十分配慮されているか否かを判断することは困難だからである。

2. 本件埋立事業は後の原発設置を前提としていること
1) そこで本件埋立事業における,埋立後の事業についてみると,公有水面埋立免許願書における「埋立の必要性」は,発電所設置の必要性から始まり,海水を取水,放水することの必要性から本件海域を選んだことなどほとんど埋立地の利用方法としての発電所における必要性が挙げられ,また,埋立の効果についても,電力の安定供給や,発電所の建設・運転を通じた関連工事の発注などの地域への貢献,交付金や税収による上関町への還元など,埋立事業独立の効果ではなく,埋立地の利用法としての発電所の設置の効果が問題となっており,本件埋立事業と,その後の埋立地利用方法としての発電所設置とは切っても切れない関係にある。

2) また環境保全に関し講じる措置を記載した図書は,そもそも「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」を満たすか否かを判断するために提出が義務付けられているものであるところ,その図書の内実は,環境影響の予測について「埋立工事の実施・埋立地の存在・埋立地の利用」の各段階における予測について触れられており,明らかに埋立地をどのように利用するのか,という点まで含んで評価がなされている。
  この意味でも,今回の免許申請に関し,環境保全・災害防止の必要性は,埋立工事自体のみのものではなく,埋立地の利用すなわち原子力発電所の運転までを見据えたものになっているのであるから,本件埋立免許を申請した中国電力にとっても「埋立地の利用として建設する発電所が環境に与える影響が少ない。」旨述べるのが主眼にあると言える。
  なお,図書中の「環境保全対策及び環境監視計画」においては,明確に「発電所の設置に当たっては・・・環境への影響を・・可能な範囲内で回避又は低減を図る」と述べている。

3) 他方,埋立地に建設される原子力発電所については,原子炉等規制法による規制があるが,同法は「原子炉の利用が・・・これらによる災害を防止し・・・(同法1条)」との目的があり,また,「原子炉施設の位置,構造及び設備が・・・災害の防止上支障がないものであること(同法24条1項4号)」と規定しているように,施設による災害の防止を要件の一つとしてあげている。だとすれば,公有水面埋立法においては,国土利用の適正性・合理性,環境保全・災害防止への配慮という要件を判断する際に「埋立地の利用方法」についても考慮すべきなのであるから,原子炉等規制法は,災害防止の観点について,公有水面埋立法と「目的を共通にする関係法令」であるということが出来る。

3. 原子炉等規制法における法律上の利益
1) ところで,原子炉等規制法における災害防止の目的について,判例は,高速増殖炉施設周辺住民が,原子炉に対する設置許可処分の無効確認を求めたいわゆる「上記もんじゅ原子炉事件判決」において「単に公衆の生命,身体の安全,環境上の利益を一般的公益として保護しようとするにとどまらず,原子炉施設周辺に居住し,右事故等がもたらす災害により直接的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民の生命,身体の安全等を個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である(最三小判平成4年9月22日)。」と述べている。

2) そして,上記無効確認を求める訴えの原告適格について「当該住民の居住する地域が,前記の原子炉事故等による災害により直接的かつ重大な被害を受けるものと想定される地域であるか否かについては,当該原子炉の種類,構造,規模等の当該原子炉に関する具体的な諸条件を考慮に入れた上で,当該住民の居住する地域と原子炉の位置との距離関係を中心として,社会通念に照らし,合理的に判断すべきものである。」との規範を示している。

3) 本件における修正
  しかしながら,上記判決は,原子炉等規制法における原子炉設置許可が正面から争われた事案であることから,原子炉の具体的な条件を考慮し,原子炉と住民居住地域との距離を中心にして判断した事案であり,本件埋立事業に関し,原子炉等規制法の趣旨目的を参酌して,公有水面埋立法によって保護される利益を考慮すべき本件とは多少事案を異にする。
  公有水面埋立法が環境保全・災害防止を要件として定めているのは,埋立免許に際して環境保全に十分に配慮されているか,埋立を行わないとその土地の需要が満たされないかなど厳正に審査し,環境との共生を図った上で必要最小限の埋立を認めていくことにするためである。そしてかかる審査において,埋立地の利用方法が評価の対象になっていることについてはすでに述べた。
 そうであるとすれば,公有水面埋立法においては,少なくとも,その対象となっている関係地域周辺に居住する者で,直接に埋立事業から,または埋立地の利用状況から,当該住民の身体・生命,住環境への悪影響,万が一の災害発生において重大な被害を被るおそれが認められる限度において保護されるべき個別的利益があるといえ,利害関係が認められるのであるから,その範囲において埋立免許の適法性につき,これを争うことが出来ると考えるべきである。
  そして原告らが,かかる個別的利益を有しているか否かは,本件埋立事業から直接的に,もしくは,埋立地の利用状況からいかなる身体・生命,住環境への悪影響,災害発生のおそれがあるか否かによるのであるから,それらを個別的に検討すること無しに,原告適格の判断は出来ないことになる。

4. 本件原告らについて
1) 本件原告中,埋立地の利用方法としての原子力発電所の危険性を考慮した場合,設置予定地から4kmほどしか離れていない祝島の住民は,そもそも発電所が設置されることで景観的利益を害され,種々の生活上の被害が起こりうることは平成21年11月24日付原告ら準備書面で述べたとおりである。また,万一の災害発生時に重大な被害を被るおそれがあることについては論を俟たない。
  したがって,別紙目録1の原告ら,そして別紙目録2の原告についても,生活の必要による海産物の採取という利益をのぞいて,保護されるべき個別的利益があることは同様である。

2) また,原子炉の万一の災害発生時に,発電所設置予定地から周辺58kmまでに居住する住民に「重大な被害を被るおそれ」を認めた上記「もんじゅ事件判決」に鑑みれば,万一の災害発生時に,長島の自然生物に対する被害は計り知れないものとなる。長島の自然を守る会及びその構成員については,長島の自然に対し,長年にわたって,自然保護観察,自然保護活動を進めてきたのであるから,本件埋立事業による生態系の変化,また,原子力発電所による万一の災害時には,上記自然の利益享有権ともいうべき権利が害されるおそれがあることは明らかである。
  さらに「上関原発を建てさせない祝島島民の会」はその構成員が祝島の住民であるから,上記祝島住民と同様の保護されるべき利益が存することは明白である。

以上

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